安芸郡府中町の皆様、こんにちは。なんば内科クリニックです。
桜の便りが届く季節となりましたが、体調はいかがでしょうか。
さて、2026年4月より、高齢者の皆様を対象とした「肺炎球菌ワクチン」の定期接種制度が大きく変わります。
「以前打ったことがあるけれど、また打つの?」「何が違うの?」といった疑問をお持ちの方も多いかと思います。今回は、この変更が皆様の健康にどのようなメリットをもたらすのか、分かりやすく解説します。
1. 肺炎は「長引く風邪」ではありません
肺炎は、日本人の死因において常に上位に位置する病気です。
特に高齢者の方においては、発生率・死亡率ともに高い疾患であり、一度かかると重症化しやすいのが特徴です。「ただの風邪かな?」と思っていても、激しい咳や痰、高い熱が数日続く場合は注意が必要です。
呼吸器の専門的な視点から見ても、肺炎を未然に防ぐこと、そして万が一の際も重症化させないことが、健やかな生活を守るための鍵となります。
2. 何が変わった?「23価」から「20価」への切り替え
これまで定期接種で使われてきたワクチンは「ニューモバックス(23価)」という種類でした。これが4月からは「プレベナー20(20価)」という新しいワクチンに切り替わります。
一番の大きな違いは、「免疫の記憶」にあります。
- これまでのワクチン(23価): 免疫の持続期間が短く、5年経つと効果が弱まってしまうため、5年おきの追加接種が推奨されていました。
- これからのワクチン(20価): 体の中に「免疫の記憶」が作られるため、原則として一生に一度の接種で高い予防効果が持続します。
対応する菌の種類(型)は23から20へと少し減りますが、重症化しやすいタイプをしっかりとカバーしているため、1回の接種で長く守られるという点は、患者様にとって非常に大きなメリットです。
3. 私はいつ打てばいいの?
「自分はどうすればいいのか」と迷われる方も多いでしょう。以下のケースを参考にしてください。
- 今年度65歳になる方: 自治体から案内が届く定期接種の対象です。4月以降は新しい「プレベナー20」を接種することになります。
- 過去に古いタイプ(23価)を打った方: 最後に打ってから5年以上経過している場合や、いつ打ったか忘れてしまったという方は、追加の接種を検討するタイミングかもしれません。
- まだ一度も打っていない方: 肺炎のリスクを下げる絶好の機会です。
また、最近では「キャップバックス」という、より高齢者の方の肺炎に特化した新しい選択肢も登場しています。当院では、お一人おひとりの持病やこれまでの接種歴に合わせて、最適なスケジュールをご提案しています。
4. 専門医として地域の健康を支えるために
今回のワクチン制度の変更をきっかけに、ぜひ一度ご自身の「肺炎予防」について考えてみませんか?
当院では、総合内科専門医、呼吸器専門医、がん薬物療法専門医、緩和医療学会認定医の資格を持つ医師が、多角的な視点で皆様の健康をサポートします。
ワクチンの副反応への不安や、日頃のちょっとした体調変化など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
府中町の皆様が、住み慣れた地域で安心して過ごせるよう、私たちは専門知識をもって寄り添い続けます。
なんば内科クリニック
難波将史
【参考文献】
- 日本呼吸器学会:65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方
https://www.jrs.or.jp/activities/guidelines/statement/20251001170000.html- 厚生労働省:肺炎球菌感染症(高齢者)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/haienkyukin/index_1.html- 日本感染症学会:65 歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方
https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=56
