安芸郡府中町の皆様、こんにちは。なんば内科クリニックです。
夏休みやお盆の時期、かわいいお孫さんや地域の子どもたちと会う機会が増えるのは、大きな喜びの一つですね。しかし、そんな楽しい時間の後に、「なんだか喉が痛い」「熱っぽい…」と感じたことはありませんか?
「きっと、孫の風邪がうつっただけだろう」と軽く考えていたら、経験したことのないような喉の痛みや高熱に襲われ、想像以上に長引いてしまった…。そんなお話を、なんば内科クリニックでもよく耳にします。
今回は、子どもだけの病気と思われがちな「ヘルパンギーナ」や「手足口病」といった、大人がかかると重症化しやすい“夏風邪”について解説します。
大人がかかると、なぜ重いの?~ヘルパンギーナ・手足口病の基礎知識~
いわゆる「夏風邪」の代表格であるヘルパンギーナと手足口病は、どちらもウイルスが原因の感染症です。子どもの頃に一度かかって免疫ができていれば、大人になってからはかかりにくいのですが、原因となるウイルスの型は複数あるため、過去にかかったことがない型のウイルスに感染すると、大人でも発症します。
大人がかかった場合、子どもよりも症状が強く出たり、回復までに時間がかかったりする傾向があります。特に、糖尿病などの持病をお持ちの方や、抗がん剤治療などで免疫力が低下している方は、症状が重くなる可能性があり、より一層の注意が必要です。
これって大人の夏風邪?見逃したくない初期症状
「いつもの風邪とは、なんだか違う…」そう感じたら、以下の症状がないかチェックしてみてください。
- 焼けるような、刺すような喉の痛み(唾を飲み込むのも辛い)
- 39℃を超えるような高熱
- 鉛のように体がだるい、強い倦怠感
- 手のひら、足の裏、口の中などにできる発疹(手足口病の場合)
これらの症状は、一般的な風邪よりも強く現れるのが特徴です。
家庭でできる感染対策と、かかってしまった時の過ごし方
【予防編】
ご家族、特にお子様が感染した場合、家庭内での接触を完全に防ぐのは難しいものです。しかし、「どうしても、うつりたくない」という場合は、大人がマスクをしておくだけでも有効な対策になります。マスクはウイルスの飛沫を防ぐだけでなく、喉の乾燥を防いで保湿する効果も期待できます。こまめな手洗いや、タオル・食器の共有を避けることも基本として大切です。
【対処編】
もし感染してしまったら、無理は禁物です。学校保健安全法のような明確な出勤停止期間はありませんが、職場の規定に従い、少なくとも熱が下がるまではしっかりと休みましょう。
食事は、喉の痛みが強いため、おかゆやゼリー、スープなど、のどごしの良いものがおすすめです。そして何より大切なのが水分補給です。喉の痛みで水分を摂るのが辛くても、少量ずつこまめに飲むように心がけ、脱水症状を防ぎましょう。
「いつもと違う」と感じたら、ためらわずに医療機関へ
つらい症状は我慢せず、早めに専門家へ相談することが大切です。特に、以下のようなサインが見られたら、すぐに医療機関を受診してください。
- 水分も受け付けないほど喉が痛い
- 食欲が全くなく、ぐったりしている
- 高熱が3日以上続く
- 呼吸が苦しい、咳がひどい
「いつもの風邪より症状が強い」と感じた時が、受診を考える一つの目安です。
まとめ:つらい症状は我慢せず、専門家にご相談ください
大人がかかる夏風邪は、決して「ただの風邪」ではありません。症状が長引き、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。特に、背景に持病をお持ちの方や治療中の方は、ご自身の判断で様子を見ず、かかりつけ医にご相談ください。
当院では、総合内科専門医として体全体を診ることはもちろん、咳や痰が長引く場合には呼吸器専門医としての専門的な観点からも診察します。患者様のつらい症状を和らげながら、総合的に健康をサポートいたします。
安芸郡府中町や周辺地域にお住まいで、気になる症状がございましたら、なんば内科クリニックへお気軽にご相談ください。
なんば内科クリニック 難波将史
【参考文献】
- 国立感染症研究所 感染症情報提供サイト「ヘルパンギーナ」
- 国立感染症研究所 感染症情報提供サイト「手足口病」